就職が決まったら卒業までの数か月で、どこか海外に短期留学したいと思っています。だから今は、アルバイトを掛け持ちして、その旅行費用を貯めている最中です。大学に入ってから最初にしたアルバイトは家庭教師でしたが、家庭教師は時給こそいいですが、少しの時間しか働けず、また相手が人間ですから気を遣うことも多く、最初の生徒に暇を出されてからは他のアルバイトにつきました。コーヒーショップ、居酒屋、ピザ屋などです。そしてピザ屋のアルバイトで知り合った友達に誘われて、移動販売の仕事も始めました。車で商品を売り歩くあれです。季節によって売る物は様々なのですが、暇そうに見える移動販売車は、あれはけっこう儲かる仕事なのです。

その仕事中、必須なのが手提げ金庫です。現金商売に手提げ金庫は必須でしょう。釣り銭用のお金の他に、金庫に毎日の売り上げが増えてくると、どんどん自分のテンションがあがり、販売促進の声も自然と大きくなります。やる気のない朝などは用意してあるテープを流して車を徐行させるだけですが、夕方になるとテンションマックスで、歌うようにセールストークが出てきます。あまりオーバーにやり過ぎて、お巡りさんに注意を受けたこともあるのですが、自分には営業が向いているのじゃないかと思います。就職先も決まる前から留学費用を貯めている私ですが、このアルバイトこそが社会人になる前の練習にもつながっていると思っています。

会社から支給されている手提げ金庫には、大学のサークルで作ったステッカーを貼っています。朝、営業所に出社し出かける準備をする際、一目で自分の金庫だとわかるようにです。バイトは時給制で、売上で給料が支払われるわけではないのですが、手提げ金庫を持って車に乗り込む時は、昨日よりも良い売り上げになるよう、自分に言い聞かせて乗り込みます。